【金融機関インタビュー】百五銀行さまの民事信託(家族信託)サービスについて | 名古屋 家族信託ステーション
ファミリアグループでは株式会社 百五銀行さま(以下、百五銀行さま)と提携し、民事信託や相続関連のサービスを地域の皆さまにお届けしています。
今回は、百五銀行さまが民事信託サービスに取り組まれている背景や、実際にどのようなサポートをお届けされているのかインタビューさせていただきました。
インタビュー動画
インタビュー記事
百五銀行さまが民事信託に取り組んだ理由・背景
高齢化が進む中で、認知症にかかわる介護や医療の問題が取りざたされていますが、それに加え、お金の問題も非常に大きな社会課題といえそうです。金融機関として、この点はどのような問題意識をお持ちでしょうか?
高齢化社会の進展により、認知機能の低下した高齢者との取引については課題意識を持っています。ご家族などからは預金の払い出しに対して、柔軟な対応を求められる一方、銀行にお預けいただいている預金はご本人の資産であり、預金を払い出すためには預金者本人の意思確認が必要となります。
金融機関としては、社会的な背景をふまえ、地域のお客さまのご要望により柔軟な対応にお応えできるように検討を進めていく所存です。
実際の百五銀行さまの業務の現場において、お客さまはどのようなことでお困りになっているのかお聞かせいただけますでしょうか。
人生100年時代などと新聞記事やテレビで見かける場面が増えており、ご自身の財産の承継や残されたご家族が困らないように終活に取り組むお客さまが増加しているように感じます。
認知症とお金のトラブル対策としては、成年後見もあると思いますが、百五銀行さまが「民事信託サービス」を強化されている理由はどういった所にあるのでしょうか。
成年後見では、被後見人の資産保全の観点からお客さまのご希望がかなえらず、制限されてしまうことがあると思います。お客さまにとって、より柔軟に対応が可能であると考えられる民事信託サービスのご提案に注力しております。
ただし、民事信託サービスだけでなく、お客さまの課題解決に向け、適したソリューションのご提供をさせていただきたいと考えております。
百五銀行さまでの民事信託サービスについて
百五銀行さまの民事信託サービスについて、具体的にどのようなサポートをしていただけるのか教えていただけますでしょうか。
はじめにお客さまが困っていることや対策したいと考えている内容をお聞かせいただきます。
お客さまとの会話の中で民事信託が最適であると考えられる場合、信託契約書の組成についてファミリアさまなどの提携専門家のご紹介や信託契約書にもとづく信託口口座開設、信託内融資のご提供を行っております。
一般のお客さまが民事信託についてご相談する際の窓口や、ご依頼をいただいた後の流れについて教えていただけますでしょうか。
弊行では、一部東京、大阪を除く全支店でご相談を承っておりますので、最寄りの支店にご相談ください。
手続きの流れについては、まずは信託契約書(案)を作成いただきます。案作成後、弊行提携の一般社団法人信託制度保証協会へ信託契約書の適格性等の審査を受けていただきます。
審査完了後、適格と判断された場合、契約書の公正証書化をお願いしております。
その後、公正証書を弊行の取引店へご持参いただき、信託口口座開設や信託内融資のお手続きをさせていただきます。
百五銀行さまにご相談してから民事信託の契約が終わるまで、おおよそ、どれくらいの時間がかかるのでしょうか。
お客さまの信託契約の内容が決定している状況であれば、公証役場のスケジュール等にもよりますが、信託口口座開設であれば、2週間~3週間程度、信託内融資であれば、1か月~2か月程度になります。
百五銀行さまの民事信託サポートをお客さまがご検討される際に、気を付けておくべきポイントはありますでしょうか。
弊行では民事信託サービスにおいて受諾要件を設けております。弊行HPに記載しておりますので、ご検討の際にはご確認をお願いいたします。
※ 百五銀行さまの民事信託に関するHPはこちら>>
https://www.hyakugo.co.jp/sonaeru/souzoku/minji/
民事信託の組成を検討する場合、委託者、受託者等の信託契約当事者だけでなく、推定相続人を含め、親族間で民事信託契約を締結することに合意のうえ手続きを進めていくことが重要であると考えます。
ファミリアグループと連携したお客さまへのサポートについて
民事信託サポートについて、ファミリアグループと提携をしていらっしゃいますが、提携をしたほうがよいとお考えになった理由や背景はどういったところでしょうか。
民事信託の仕組みをつくるためには、金融機関と士業などの専門家との連携が非常に重要であると考えております。
ファミリアさまは東海地区においてトップレベルの取扱実績があり、安心してお客さまをご紹介できると考えました。
百五銀行さまのネットワークには他にも司法書士や税理士などの専門家がいらっしゃると思いますが、ファミリアグループと提携を決めたポイントはどういったところでしょうか。
弊行が民事信託サービスの提供を開始後、ファミリアさまから信託内融資の案件のご紹介をいただいたことがあり、その際のお客さまへの丁寧な対応や東海地区でトップレベルの取扱実績が提携を検討した決め手でした。
百五銀行さまとファミリアグループで協力してサポートした具体的な事例について、印象的なものがあれば、教えていただけますでしょうか。
このようなご相談事例がございます。
3世代のご家族で、お父さまが賃貸アパートの経営をなさっています。お子さまは3名(長男、次男、長女)です。
不動産には、相続税対策として新たに建築した物件も含まれています。また、これまで遺言の作成はされていました。
このように、積極的に生前対策を進めてこられていましたが、認知症による不動産の凍結対策などには手を付けていらっしゃいませんでした。
そこで、認知症トラブルを防ぎ、適切な不動産の管理および相続税対策を安全に進めてゆくにはどうしたらよいか、とのご相談をいただきました。
ご家族の状況
ご長男とご次男の関係性があまり良くないことから、相続発生時にトラブルが起こらないように注意をする必要があります。
また、不動産については、将来的にはお孫さん(ご長男のお子さん)に引き継いでいってもらいたいとのお考えでした。
お客さまにご提案したスキーム
収益不動産を民事信託で対策するご提案をしました。
お父さまが委託者、受託者はご長男です。また、もしご長男が先にお亡くなりなってしまった場合に備え、第二受託者としてご長男の奥さまに入っていただきました。
1つ目の効果としては、万が一、お父さまが認知症になった際に、不動産が凍結状態になってしまうのを防ぐことです。
2つ目の効果としては、ご長男→お孫さんという順番で、確実に収益不動産を承継してゆく道筋をつけることです。
3つ目の効果としては、相続税対策としての土地活用が認知症によりストップしてしまうのを防ぐことです。
遺言だけですと、こういった2世代にわたる資産の承継はできませんし、認知症による財産凍結、相続税対策の停止リスクを防ぐことができません。
収益不動産を民事信託により「信託財産の箱」にいれておくことで、これらの効果を得ることができ、ご家族の想いを形にするお手伝いができました。
ファミリアグループのサポートについて、百五銀行さまにとって良かったことや、特にお役にたてたことは、どういったことでしょうか。
お客さまにとって、士業の方は敷居が高く、相談しづらいというご意見をいただくことがございます。
ファミリアさまはしっかりとお客さまに寄り添っていただき、親切かつ丁寧にご説明をいただけるとのご意見をいただいております。
百五銀行さまの今後の展望について
民事信託は、人生のライフステージでいえば、認知症になる前の早いタイミングから取り組む対策です。百五銀行さまでは、遺言や後見などの相続対策や、相続が発生したときなどのことも、サポートしていらっしゃるのでしょうか?
弊行では、ファミリアさま等の専門家と業務提携し、民事信託のほか、遺言作成、相続手続き、相続税申告、戸籍収集などのサポートや後見制度支援預金の取扱いを行っております。
相続関連業務に対するお客さまの課題やニーズは多種多様であり、トータルサポートできるように努めております。
百五銀行さまでは、地域のお客さまに向けて、どのようなサポートを提供されていくのか、今後の展望をお聞かせください。
民事信託サービスをはじめ、地域のお客さまの課題解決やニーズにお応えできるように努めていきたいと考えております。
まとめ
百五銀行さま、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございます!
ここまで、百五銀行さまが民事信託をはじめとするシニアライフサポートに注力していらっしゃった理由、サービスの活用方法などをお伺いしました。
百五銀行さまで民事信託のサポートを受けたい、相談したい、というお客さまは、どうぞお気軽にご相談ください。
※私たちファミリアグループは百五銀行さまと業務提携をしておりますので、ご相談の窓口としてお問い合わせ受付も可能です。